長期滞在を前提とした一般的な賃貸物件の場合、入居審査のために多くの提出書類が必要となり、入居までのハードルが高くなっています。マンスリーマンションの利用を検討している人のなかには、入居審査に通るか不安に感じている人もいるかもしれません。
家具・家電付きで手軽に入居できるのが魅力のマンスリーマンションですが、契約の手続きの楽さも人気の理由の1つです。物件によっては即日入居も可能なマンスリーマンションの入居審査が簡単とされる理由をはじめ、必要な書類やケース別の審査基準などを解説します。
一般的な賃貸物件の場合、入居するためには入居希望者の職業や収入などの審査に通らないといけません。マンスリーマンションにも入居審査はありますが、提出書類の不備の有無や在籍確認、身分証明書の提出など形式的な審査がほとんどです。
書類の内容に虚偽やミスがあれば審査に落ちる可能性もありますが、一般的な賃貸物件と比べて入居審査の基準はかなり低いと言えるでしょう。
マンスリーマンションの入居審査が厳しくない理由としては、前払い制を導入していることがあげられます。なぜなら、すべての料金を入居前に支払うので家賃の滞納や未納の心配がなく、入居審査を厳しくする必要がないからです。
かなりグレードの高いマンスリーマンションであれば入居審査を厳しくしている可能性もありますが、基本的には簡単な審査で入居できることがほとんどです。
一般的な賃貸物件だと「借地借家法」という法律が適用され、一度契約を結んでしまうと管理会社は借主が契約継続を望む限り、原則として更新を拒否できません。
また、強制立ち退きを要求するにしても、立ち退き料の支払いが必要になるケースもあります。そのため、厳しい入居審査を設けて、トラブルを起こさないかどうかを判断する必要があるのです。
一方で、マンスリーマンションは滞在期間が短期なうえに借地借家法の適用外となり、管理会社は契約の更新を拒否することができます。こういった理由から、長期滞在が前提となる一般的な賃貸物件と比べ、マンスリーマンションは入居審査の基準が低くなっているのです。
マンスリーマンションの管理会社によって入居審査に必要な書類は異なりますが、基本的には顔写真付きの身分証明書と公的な身分証明書の2種類の提出が求められます。身分証明書として認められる代表的なものは運転免許証やパスポート、健康保険証、住基カード、年金手帳など。
マンスリーマンションの入居審査で使える身分証明書は公的な機関が発行したものに限られるため、学生証や社員証などは認められないことがほとんど。また、公的な機関が発行するものでも個人情報の取り扱いが難しいマイナンバーカードは、管理会社によっては身分証明書として認められない可能性があります。
ほとんどのマンスリーマンションでは保証人がいなくても契約できますが、管理会社によっては保証人を立てないといけないところもあります。希望する物件が保証人を必要とするかどうかは、事前にしっかりと確認しておきましょう。
また、保証人は不要でも緊急連絡先の記入を求められるケースも多いため、不測の事態が起きたときに連絡のとれる相手を用意しておく必要があります。
保証人になってくれる人がいない場合、保証人代行サービスを利用するという手段があります。
保証人代行サービスとは、保証会社に一定の保証料を支払うことで保証人の代わりを務めてくれるというもの。マンスリーマンションの管理会社によっては保証会社を紹介してくれるところもあるため、保証人代行サービスの利用を検討する場合は事前に相談してみることをおすすめします。
受験や就職活動などでマンスリーマンションを利用したい場合、契約者が未成年だと保護者の同意を必要とするケースがほとんどです。未成年の入居者では契約できない物件でも、保護者の名義なら入居可能なケースもあり。マンスリーマンションによっては未成年者の入居自体を禁止しているところもあるため、未成年でも入居可能かどうか、入居に必要な条件などを確認しておきましょう。
前払い制を導入しているマンスリーマンションは収入や職業を入居審査の対象にしないことが多いため、無職の方でも入居できることがほとんどです。ただ、無職の方が契約者となる場合、入居前に保証金の支払いを求める管理会社もあるので、保証金の有無はあらかじめ確認しておいたほうが良いでしょう。
また、マンスリーマンションでは悪質な入居者の利用を避けるため、利用目的を重視する傾向にあります。利用目的があいまいなままだと入居を断られる可能性があるので、管理会社から利用目的を聞かれたときにしっかりと説明できるように準備しておくと安心です。
外国の方が観光で日本に長期滞在する場合、ホテルよりもマンスリーマンションを利用したほうが宿泊費を安く抑えることができます。完全英語対応の外国人向けのマンスリーマンションも登場しているため、そういった物件を選べば日本語が苦手な外国の方でも快適に滞在することが可能です。
外国人向けのマンスリーマンションが滞在先の近くにない場合、日本語でのコミュニケーションが可能かどうかが入居条件として求められることがあります。そのほかにも、管理会社によってパスポートのほかに誓約書への署名が必要になるケースもあるため、物件を探す際は外国人の利用に対する条件を確認しておきましょう。
前払い制を導入しており、期間限定の利用ということもあって、トラブルの少なさから審査基準が一般的な賃貸物件に比べて低くなっているマンスリーマンション。管理会社が契約更新を拒否できることでルールを守らない入居者の利用を防ぐことができるため、簡単な入居審査でも安心して利用しやすい環境が整っています。
ただし、管理会社によって入居の条件や審査基準が異なるため、スムーズな入居を目指すなら不明点があれば部屋探しの段階から問い合わせるようにしましょう。