住まいを借りるときの選択肢で代表的な形式は一般賃貸、短期賃貸、ホテル、一軒家があります。
一軒家については、そもそも家族で住む前提になるため比較対象となりませんので、ここでは一人暮らし向けの一般賃貸、短期賃貸、ホテルの中で、どれが一番住まいに関する費用が安くなるのかを比較してみました。
費用は代表的な金額例を使って比較しています。
1日滞在を住まいと定義してよいのか指摘を受けてしまいそうですが、そもそも一般賃貸は2年契約が大半なので、契約すること自体不可能です。1日滞在では、やはりビジネスホテルに分があるようです。
しかしながら、マンスリーマンションでも1日滞在は可能です。最低でも1週間単位からの契約をしなくてはいけませんが、滞在が1日のみでも問題は無く、1週間契約時の平均料金は3.5万円程度です。
「1日滞在の予定だけど、あと数日延びるかも‥」という場合なら、検討してみてもいいかもしれませんね。
この場合も、一般賃貸は契約不可能。マンスリーマンションがコスパ最良となりました。
日中は外出する人であれば、部屋の掃除なども入るビジネスホテルが良いと思いますが、日中も部屋にいる場合は、ホテルでは少々使い勝手が悪くなってきます。
1ヶ月単位となると、ホテルとマンスリーマンションの価格差が非常に大きくなります。
ホテルは1日単位(ホテルによっては長期プランあり)で料金が発生するため、契約上、長くなればなるほど高くなります。一方、マンスリーマンションやウィークリーマンションの場合は長中期向けの滞在を得意としているので、1ヶ月となるとホテルよりコストがだいぶ安くなるのです。
1年間の契約で、家賃だけを見れば、一般賃貸の方がマンスリーマンションよりも安く済む場合があります。ただ、上記の料金は初期入居費用や家具家電の購入費用などは含まれておらず、一般賃貸ではこうした費用が必要ですが、家具家電付きのマンスリーマンションなら、初期費用や設備費がほとんどかかりません。
加えて、一般賃貸の場合は毎月水道光熱費や通信費も発生します。1年ぐらいのスパンで見た場合でも、マンスリーマンションの方が安くなるのです。
2年も過ごせば、一般賃貸が一番安くなります。ただし、これから引き続き同じ場所に住もうと思ったら、新たに更新料が必要になります。転居しても、退去に関する費用や新居の契約費用を考慮すると、マンスリーマンションの方が安くなる場合もあります。
家賃だけで見れば一般賃貸より割高に見えるマンスリーマンションですが、諸経費を加味していくと、かなりお得な居住形態だとわかってもらえたはずです。
1週間以上の滞在をする場合はマンスリーマンションがおすすめです。しかし、1週間以内や無期限での利用を考えている場合は、デメリットが発生する可能性も。そこでマンスリーマンションを利用する際のメリット・デメリットを調べてみました。滞在期間によって利用する物件を選ぶと、お得に部屋を借りることができますよ。
マンスリーマンションを利用するうえで最大のメリットといっても過言ではないのは、敷金・礼金が不要なところ。一般的な賃貸と違って初期費用がかかりませんし、水道光熱費も家賃に含まれるので節約できます。
マンスリーマンションは、長期的に契約することで1日あたりの宿泊料金を抑えることが可能。また同グレードのホテルよりも広い部屋を利用できます。
生活に必要な設備が揃っているのが、マンスリーマンションの魅力。業者によっては洗剤やごみ袋を置いてくれている場合もあります。カバン1つで入居できるため、引っ越し準備で手間取りません。
料金を一括で払うことができれば、ほとんどのマンスリーマンションに入居できます。一般的な賃貸物件のような、職業や収入などの審査を受ける必要がありません。面倒な手続きを省けますよ。
契約期間の料金を一括で支払う必要があるため、まとまったお金を用意しなければなりません。とはいえ、一回払ってしまえば滞在期間は賃料を気にしなくていいので、家賃の支払い日を気にせず暮らすことができます。
最初で滞在予定日の料金を一括で払いますが、途中で解約しても払った分のお金が戻ってくることはありません。また途中で解約してしまうと違約金が発生することも。確実に住める期間がわかっている場合に利用することをおすすすめします。
マンスリーマンションの部屋に設置されている備え付けの家具や家電などを勝手に変えることはできません。自分で部屋のレイアウトをアレンジしたい人には不向きだと言えます。
マンスリーマンションは期間で区切って入居するので、前日まで先客がいることがほとんど。そのため、事前に部屋の中を確認することがむずかしいといえます。「どうしても内覧したい」という人は、空いている部屋を探さなければなりません。
料金さえ払ってしまえば入居できるマンスリーマンション。入居審査が緩いため、どういう人が入居しているかまったくわかりません。とはいえ、利用している人のほとんどは、転勤や単身赴任のサラリーマンなので、大きな問題が起こることは早々ないでしょう。
ビジネスホテルの他に、もう一つ短期の住まいとして活用されているホテルがあります。それはカプセルホテルです。そこで、どうしてカプセルホテルが利用されているのか、メリットやデメリットから確かめていきましょう。
カプセルホテルの大きな特徴といえるのが寝泊まりをする場所です。ビジネスホテルなどとは違い、限られた小さな空間を部屋として活用します。その空間がカプセルのようになっており、カプセルホテルともいわれるようになったほどです。
1つのカプセルの広さは約1畳で、側面などにテレビなどが備え付けられています。そして、扉はありませんが、カーテンを締めることできちんとプライバシーを保護することも可能です。ホテルのベッドなどと比べると狭いスペースではありますが、1人が寝泊まりする分には問題ありません。
また、仕事など日中部屋を開ける場合は滞在時間が短いため、部屋が広くてもそこまで大きなメリットになりません。そのため、カプセルのホテルのような省スペースでも使い勝手に問題はないのです。
カプセルホテルは宿泊施設ですが、個室自体が省スペースのためホテル全体の規模が大きくなくても建設が可能です。そのため、カプセルホテルの多くは都心部や主要駅の近くに建設されているため、仕事や旅行などの拠点としては最高の立地条件なのです。
さらに、カプセルホテルのチェックインは夜遅くまで対応していることもあり、終電で戻ってきた際にも手軽にチェックインが可能です。また、都市部が近いためホテル以外での食事も手軽に行えるため、短期の生活に飽きにくいこともメリットといえるでしょう。
カプセルホテルの利用者が多い最大の理由は料金の安さです。カプセルホテルの1泊あたりの料金は3,000円前後、安いところでは2,000円程度と格安です。そのため、1ヶ月という長期間利用しても費用面での負担はそこまで大きくありません。
また、カプセルホテルの個人スペースは狭いものの、共有ながらシャワーなどはきちんと用意されています。近年では、より利用客へ配慮した施設が備わっており、中には温泉やサウナなどがきちんと整備されているところもあります。
また、カプセルホテルは基本的に朝食がセットになっており、食費込みでこのような価格です。そのため、費用が安いから使い勝手が悪いということはなく、使い方次第では非常に高スパの良い宿泊先として活用できます。
カプセルホテルの大きなデメリットになるのが、チェックアウト時です。カプセルホテルは基本的に1泊を想定していますので、1泊ずつチェックアウトをすることになります。そのため、着替えなどの荷物を部屋においておくことはできず、外出の際にチェックアウトをしなければいけません。
こうしたチェックアウト時や外出時の手間や荷物の管理が煩わしくなり、長期間滞在する場合には途中でビジネスホテルやマンスリーマンションへ引っ越してしまうこともあります。特に、カプセルホテルは料金が安くなるほど個人スペースがシンプルになる傾向があり、ある程度の広さを求めるとビジネスホテルの宿泊費とそんなに変わらないこともあります。
さらに、最低限のプライバシーは守られますが、それでも大きなストレスを感じることがあります。そのため、長くても1週間程度であればカプセルホテルも使い勝手が良いのですが、それよりも長くなる場合には他の施設の利用も選択肢に含めた方が良いかもしれません。
カプセルホテルの性質上、外出をする際にはチェックアウトが伴います。そのため、気に入った場所の部屋だとしても、再利用するためにはもう一度チェックインしなければいけませんので、同じ部屋を連続して利用することはできません。
また、同様にチェックアウト後にそのカプセルホテルの定員が埋まってしまえば、そもそも同じホテルを利用することができません。このような場合では新たに他のカプセルホテルを探さなければならず、それだけでも大きな手間や負担となります。
そのため、短期間の生活拠点としては、利用できるかどうかが不確定なことが大きなデメリットになっています。特に、場合によってはホテルに泊まれないケースが考えられます。こうした不測の事態を招かないためにも、しっかりと部屋を確保できるように準備しておく必要があります。
カプセルホテルは個人スペースを確保することができますが、その扉には鍵がありません。そのため、カプセルホテルでは一般的にコインロッカーを利用して貴重品の管理を行います。しかし、このコインロッカーはスーツケースなどがギリギリ入るかどうかという大きさであることが大半です。
そのため、極力荷物を減らさなければ安全にカプセルホテルを利用できないのです。コインロッカー等の設備は利用してから判明することも多いため、チェックイン後に困惑してしまうこともあります。こうしたセキュリティ面からカプセルホテルを利用するのをためらってしまう人も多いのです。
さて、カプセルホテルについてメリットやデメリットを含めて解説してきましたが、マンスリーマンションとカプセルホテル、どちらを活用するのがお得なのでしょうか?
機能面からいうと全てにおいてマンスリーマンションが勝っていますが、費用の面ではカプセルホテルの方が勝っています。そのため、どちらに重点を置くかで使いやすさやお得さは変わるでしょう。
ただ、しっかりと疲れを癒やす、ストレスを感じずに毎日を過ごす、という生活の拠点としての機能をメインに据えるとマンスリーマンションの方が便利に活用できるでしょう。
また、マンスリーマンションの場合は部屋の使用規約はほとんど一般賃貸と変わりませんので、友人を招いたり趣味を自由に楽しんだりすることが可能です。そのため、機能性や拡張性などを踏まえて考えると、1週間以上の長期間利用する場合には、マンスリーマンションを選んだほうがお得でしょう。
2年以上住み続ける可能性が高い人には、一番安く利用できるため一般的な賃貸物件がおすすめとなります。家具・家電をそろえるなど初期費用はかかってくるものの、1日あたりの料金は圧倒的に安く済みます。
とはいえ、ほとんどの賃貸物件は2年ごとに更新が必要なため、契約更新の際に手数料がかかる場合があります。その点も考慮に入れて物件選びを考えなくてはなりません。
1日あたりの宿泊費から見ると割高になりますが、1週間未満の滞在のケースではホテルを利用することをおすすめします。
そもそも一般的な賃貸物件やマンスリーマンションは、1日単位では利用できません。数日滞在するために、初期費用を払うのはムダになってしまいます。マンスリーマンションは1週間の料金を一括で払えば住むこと自体は可能ですが、期間内に退去しても払い戻しはありませんし、違約金が発生するとなると余計に費用がかかってしまいます。そのため、1週間未満の滞在期間の場合はホテルを利用したほうが無難です。
1週間以上で滞在期間が決まっている場合は、だんぜんマンスリーマンションがおすすめです。主に単身赴任や長期出張、長期旅行をしたい人が当てはまります。
マンスリーマンションなら初期費用も節約できますし、家具や家電などの生活に必要なものはすべて完備されています。カバン1つですぐに住むことができるのが最大の魅力です。また、マンスリーマンション業者の公式サイトから予約できるので、一般的な賃貸物件を契約するときのような手間はかかりません。気軽に長期滞在したい人にとってマンスリーマンションは、とても便利な選択肢だといえるでしょう。